真空マーケットとは

真空マーケットとは

中小企業が大手企業に勝つ戦略を考察してみた

日本では失われた20年、あるいは25年といわれ不況が続いています。
一方、上場企業の多くは過去最高益を出しています。
この隔たりは一体何なんでしょうか?
利益を出せる経営のやり方について深堀りしていきます。

微妙な間違いが大きな間違いに

よく徹底的に真似る方法(TTP)がもてはやされていますが、ベンチマークする競合は「大手企業」でなければいけません。

なぜなら、大手企業の多くは、「数値=論理的」にビジネスを立ち上げ、結果を出しているからです。

結果とは、「売れる」ということです。売れるから忙しくなり人手も必要になります。だからこそ大手企業は大所帯なのです。

大手がなぜ大手に成り得たのか?は複数の理由がありますが、そのひとつに言葉の定義があります。

・経営とは、お金を投資(初期投資)して回収する仕組み。
・財務とは、利益をどう使うのかの判断。

つまり、大手は、モノを売って利益を上げて、上げた利益をどう使うのか?が上手いということです。

真似るべきは、

・何に初期投資しているのか?
・どのように売っているのか?
・どのように再投資しているのか?

です。

何に初期投資しているのか?

大手企業は一体どのようなものに投資しているのでしょうか?
それは、「品目」です。
品目とは、お客様が望む以下のようなものです。

・価格
・品質
・用途
・サイズ
・容量
・機能

つまり、既にニーズのあるモノの中で時代に合わせて上記を組み合わせているにすぎません。

どのように売っているのか?

大手企業が考えているのは、一番になることです。
一品目、または一品種でいいので”これだけは一番をとる”というカテゴリを決めて、商品ラインを続々と投入して商品カテゴリで一番をめざします。
これを「一番主義」といいます。

どのように再投資しているのか?

大手企業は、順調に売上が上がると再投資するための資金用途の計画を作り始めます。
以下を盛り込んだ「5カ年計画」を策定して売上拡大の道筋を模索するんです。

・現在の売上の10倍規模の売上目標を設定
・売上に大きな影響を及ぼす要素を抽出
・抽出した要素の中から「一番主義」で重点的にリソースやアセットを投入

夫婦で始めたカレー屋さんの『Coco壱番屋』は、
カレーという品目の品種を多くすることで商品ラインを増やすことで専門化(ポジショニング)してFC展開することで大きくなったということです。

中小零細企業でも前述のように論理的なステップを踏めば大手に負けない大きな会社を作ることができることを証明しています。

絶対に間違えはいけないこと

ビジネスがうまくいかない最大の原因は、

自社で販売している商品はどう売るか?ではなく、お客様が求めている商品を見極めて販売することです。
しかし、お客様が求めているモノを見極めるのは極めて困難です。
そこで、一番最初に行うことは、

1.お客様が困っていることをピックアップ
2.重要な順に並び変える
3.ひとつひとつ解決していく

です。

このようなことを地道に取り組むことでお客様が求めている商品が何なのかが見えきます。

結局、どんな商品や市場が有利なのか

はじめに取り組むべきは、「真空マーケット」を見つけることです。

真空マーケットとは、お客様が困っていたり、欲しがっていたりするのに提供されていない市場のことです。
例えば以下の通りです。

∟地理的真空マーケット
・場所
・業態
・品種
・品目

→田舎にラーメン屋さんを開業した(場所を変える)
→美容室の横にコインランドリーを併設した(業態を変化させる)
→魚屋さんが肉も卸すようにした(品種を増やす)
→クラフトビールを3種類から10種類に増やした(品目を増やす)

∟その他の真空マーケット
・品質
・価格
・時間
・提供方法
・客層
・規制緩和

これらの真空マーケットを探す方法は、前述の通りひとつひとつ調べていくのが地味で確実です。

その上で非常に役に立つ書物が「官報」です。国が発行している書物で、ここに真空マーケットのヒントが溢れています。

実例

例えば官報で「魚を食べる人が増えている」という事実を知った場合…

一人暮らしの人が魚を調理するのは面倒で困っているとしたら…

魚を白身に卸してくれるお店があったらいいと思いませんか?

ただの魚屋さんという「業種」が魚を切り身にして調理しやすくしてくれる「サービス業態」を始めた

と言い換えても間違えありません。

これが、いわゆる真空マーケットの創造です。

つまり、

1.お客様が困っていることをピックアップ
2.重要な順に並び変える
3.ひとつひとつ解決していく
4.この過程でただの「業種」にナニカが加わり新しい「業態」が生まれ真空マーケットを創造できる

という訳です。

あなたは、どのようにして新しいビジネスを発見し売上を上げていきたいですか?

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