リユース市場のポテンシャル
右肩上がりで成長し続ける市場を個人的な経験から考察してみた
新事業のネタを探している経営者にとって最も関心のあることのひとつに
「成長市場に参入したい」
ということだと思います。
どんなに優秀な経営者であっても斜陽産業に参入すれば確実に資金を溶かしてしまうものですが、
右肩上がりの成長市場に参入できれば少々”お馬鹿さん”でも上げ潮に乗って確実に資金を増やせる確率が高まるもの。
本日の記事は、そんな”おいしい”成長市場にフォーカスします。
リサイクル業界の特徴①
結論から先に申し上げると…
スクラッチ(新規事業)や第二の事業の柱として今現在、最も時代に合ったビジネス市場は、リサイクル業界です。
最近で街中でよく目にするブランド品のリユース店舗。まさにそれです。
業界1位はゲオHD、2位はメルカリで直近は2年連続で30%以上の高い成長率で推移している業界です。
(上位22社中20社が昨対ベースで売上増を果たす特殊な業界ともいえます)
売上高は、1位のゲオHDで1,684億円、2位のメルカリで1470億円です、ともにC to C業界です。
C to C(個人間取引)におけるEC市場単体でみても市場希望は、約2兆円。
リサイクル業界の特徴②
ちなみに、私事ですが、2014年頃に酒の買取のビジネスを立ち上げた会社の初期メンバーだったりします。
その当時もすでにブランド品のリユース店舗が街中にあって市場参入のタイミングが特段早かったとは思っていませんが、2023年現在において後発参入だとも思いません。
なぜなら、リユース市場の潜在市場規模、つまり家庭に眠っている資産は、40兆円あるといわれており、
今現在(2023年時点)で掘り起こされている資産は、たった3兆円と推計されています。
単純計算であと14年ほどで掘りつくされてしまうと思いきや、毎年8兆円分の資産が新たに生まれる市場です。
つまり、エンドレスで二次流通品が増え続けるのが日本の特徴ともいえます。
ハードデータ(確実性の高いデータ)を見ても、確実に37兆円分の資産が眠っていると公式に発表しています。
儲けの三原則
なぜ、リース業界が”おいしい”のか?
その理由は、下記の通り3つのポイントがあります。
①換金性(現金化)と回収率が高い
次の通り、お客様から買い取った品物を換金する方法が多く存在する
・エンドユーザーから品物を買い取って別のユーザーに売る(ネット販売や店頭販売が主流)
・エンドユーザーから品物を買い取って業者オークション(B to B)で卸販売する
・エンドユーザーから品物を買い取って自社オークション会場で競りにかける
※ちなみにまだ上場していないが、100億円を超える中堅企業は上記の3つの換金をフル稼働しています
②利益率が高い
一般的に仕入れ率は50%、つまり1取引の利益は40~50%です。しかも、業者オークションや自社オークションで換金しても確実に利益が出る査定額で買い取るため雪だるま式に利益が積み上がります。
③商品開発が不要
リユースビジネスの面白いところは、ブランディングされたハイブランドが毎年、トレンドになって世間に注目され、翌年そのブランドの二次流通品(中古品)がリユース業界に下りてくるところです。
時計でいえば今年(2023)はロレックス、来年(2024年)は恐らくセイコーでしょう。そういった一次流通と二次流通を繋ぐ「流通業」ともいえ、流通業のため、流通するモノがなくならない限りビジネスの安定化に寄与します。
儲けのエッセンス
2014年の比較的早いタイミングでリユース業界に参入して経験のある私が感じる「儲けるためにハズしてはいけないポイント」としては…
このビジネスは、間違いなくいかに多くのモノを買い取れるか?にかかっています。
買取個数を増やした上でその日のうちに現金化します。
それをラージスケール(大規模)でグルグル回していくと数億円の売上はほぼほぼ確実に達成できるビジネスです。
面白いことに多くのリユース店が「オークファンプロ」という買取の平均相場が提示してくれるツールを活用してエンドユーザーが持ち込んだ品の買取査定額を算出していることから、買取に際してほとんど差別化ができない特殊な業界ともいえます。
では、どこで差別化するのか?それは…
買取をする「店舗の数(立地)」と「接客」です。接客は店頭での接客の他、コールセンターも含みます。
(店頭買取で来店するユーザーの成約率はほぼ100%)
ココに早くから目をつけた企業は、500億円を突破しています。2011年から業界に参入した「なんぼや」を運営するバリュエンスホールディングスです。社長は元Jリーガーで今年41歳。
(その他、現在3桁億円の規模まで拡大しているリユース企業は、業界黎明期の2011年参入組です)
最終的なゴール戦略としては…
安定的な買取個数を獲得できる「集客体制」を整えた上で自社オークションで全て売り切る「現金化フロー」を構築することです。その先は、EXETです。
あなたは、どのような戦略で今後長らく右肩上がりで成長することが見込まれる市場で躍進したいですか?
リユースビジネスで2桁億円の売上を目指すなら、間違いなく労働集約型のビジネスになります。人(他力)を利用して儲ける定型的なビジネスといえるでしょう。
ちなみに売上の目安は、FCで参入した場合は、1店舗あたり1億円(/年)ほどです。店舗展開を前提として利益を積み重ねるリテールビジネスです。