イノベーションを阻むもの

イノベーションを阻むもの

実例を交えてイノベーションを世に出す方法について考察してみた

「商船三井」という大手海運会社をご存じですか?

この会社が開発した『水素製造船』は、帆船を利用して海と海水から水素を生産するシステムで半永久的にコスト0円で水素を作ることができます。

本日は、このようなイノベーションが日本で市民権を得て流行しない原因について考察していきます。

イノベーションのジレンマ

水素生成の市場は、世界的に見ても右肩上がりで成長しており、2027年には約30兆円規模になるといわれています。

足元で見れば、日本は…

・エネルギー自給率の低さ
・化石燃料依存度の高さ
・再生可能エネルギーの普及の遅れ

と大きな問題を慢性的に抱えています。

つまり、これらの問題の共通点は、自国で産業に必要なエネルギー源を調達できないということです。

この問題に対して一石を投じる可能性があるのが水素です。

現在、自動車市場ではEVが市場のメインストリームであり、日本の自動車業界は遅れをとっています。

そんな中、実は十数年前からトヨタ自動車で開発が行われていたのが水素自動車であり、水素を使ったバスであり、水素を使ったフォークリフトです。

バスは地域住民の移動手段に不可欠であり、フォークリフトは物流に欠かせない荷物の移動手段に不可欠です。そして、今後は、JRと協業として「電車」という近代における最重要の移動手段に水素が搭載されていきます。

残念ながら、自動車への搭載は、そもそも水素ステーションの設置が鈍化しているため、見込みが薄い現状です。

日本からイノベーションが生まれない理由のひとつは、このようなイノベーションの芽を育てるために政府が公金を使って民間企業に投資しないことです。

水素ステーションと水素製造のパッケージでイノベーションを起こすことは十分に可能なはずなのになぜ?

2024年現在は、水素よりも半導体に目が行ってしまっているのが実情ではないでしょうか?

SDGsな世界を目指すなら、海水から0円で燃料(水素)を生み出す当該技術こそが賞賛されるべきはずですが、そうではないようです。つまり、SDGsとは欧米から端を発した資本主義的な潮流のひとつということです。

ロストテクノロジーの神秘

素晴らしいイノベーションが必ず世に出る訳ではないことは前述の通りです。

最たる例は、「ロストテクノロジー」です。

ロストテクノロジーとは、かつて存在した科学技術で現在では失われてしまったものを指します。

現在の建設物に使われているコンクリートの耐久年数は60年程度であり100年はもたないと言われていますが、2000年以上前に建設された古代ローマの建物は今現在でのその形を保っています。

このコンクリートは、水に濡れれば濡れるほど固くなる性質があり、ひび割れを自動修復することができます。

このコンクリートは、現在の技術をもってしても再現することができません。

実は同じような性質をもつコンクリートは、5000年前には中国、9000年前にはイスラエルで発見されています。

このような超古代文明の叡智がなぜ失われてたのかはいまだに未解明のままです。

実はこのような素晴らしいイノベーションは、姿や呼称を変え、現代でも脈々と受け継がれていたりします。

あなたは、気づいていますか?そのような技術の「核」を発見できれば競争優位性を得ることができるかもしれません。

まとめ

実は、中小零細企業の中でも信じられないぐらいの売上をたたき出している非上場会社の一部では、

自社で競争優位性の高い製品を開発し、量産化した上で世界中に販売していたりします。

大抵は、小さな会社の社長の情熱から生まれた製品の場合が多く、長年にわたって開発した代物です。

これからの時代は、主体性や多様性を否定せず、自らの信念に倣って生み出された”ナニカ”が広義の意味で公的なエビデンスめいたものを取得した上でグローバル展開をしていく小さな(無名な)組織が活躍していく時代です。

あなたは、どのようなことに興味を持ち、それをどのレベルまで磨き上げ、世界に知らしめていきたいですか?

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