健康イノベーション
紅麹の問題から新しいイノベーションの芽を生み出してみた
昨今、世間を騒がせている紅麹事件。
メーカーは、私たちが慢性的に問題を抱えている心身の不調をさもカンタンに改善できるかのようにプロモーションをかけることで様々なサプリメントを販売しています。
本日は、サプリメントビジネスについて深掘りしていきます。
サプリの効果とリスク
紅麹に含まれている「スタチン」は、世界で毎日4千万人が飲んでいるとも言われる非常にポピュラーな薬(成分)です。
この成分が含まれているサプリではなく、薬の場合、血中コレステロールによって心疾患(心筋梗塞)で死亡するリスクを減らすために飲んでいたりします。
その場合の薬(成分)のNNT判定(治療必要数)は、
・104人中1人にしか効果がない
・50人に1人は糖尿病が進行する
だったりします。
(海外の大規模調査では、47人中1人に効果があり、255人に1人は糖尿病が進行する)
但し、これらの判定は、高齢者以外が含まれる研究だったり、一次予防を目的とした試験結果などと条件がバラバラであり、各々の結果がある事実を認識しておかなければなりません。
そもそも、薬の有効性というのは、優秀なものでも30~50人に1人程度に効果がでる代物であり、リスク(副作用)もあります。
これは、薬の話のため、サプリメントはさらに厄介です。
サプリメントの場合、成分の有効性を判定するNNT判定のようなものはなく、メーカーが独自で有効性を証明して販売していたりします。
(原料卸企業が示す有効性データのみで販売しているメーカーも多数)
この事実は、日本に限らず国際的な基準がないため、海外製のサプリメントでも同様です。
つまり、本当に正しい有効性とその範囲を臨床研究で証明し、そのままプロモーションで正確に伝えて販売しているメーカーなど存在しないということです。
紅麹の真実
人は、年を取ると次の3つの身体機能が低下しています。
・代謝が落ちる
・体内の水分量が減る
・腎臓や肝臓の機能が落ちる
このことで薬やサプリメントの成分が身体に蓄積しやすくなり、結果的に副作用が出やすくなります。
ここで前述のNNT判定を思い出してください。
紅麹に含まれている「スタチン」を含む薬の場合の副作用は、「50人に1人は糖尿病が進行する」
紅麹に含まれている「スタチン」を含むサプリメントの場合、薬よりも有効性は穏やかなため、「50人に1人は糖尿病が進行する」ではないはずですが…
もしかしたら1万人に1人は…。かもしれません。これを仮説として、3つの身体機能が落ちている中高年が紅麹を多く摂取する状況になった場合…
比例して糖尿病が進行する人が増え、死亡する人が生まれてしまいます。
まとめ
基本的に、”口に入れるものはリスクである”ということを認識しなければなりません。
加えて、薬で使われている成分(スタチン)とサプリメントで使われているスタチンに化学構造式が似たモナコリンKという成分が果たして同じ効果と副作用をもたらすのか?
を十分に考慮しなくてはいけません。
“似て非なるもの”
実は、多くの人が同じようなものなら効果と副作用が同じと思い込んでいます。
加えて、効果の程度と副作用の事実を天秤にかけ、薬が作られ、それを倣うような商用的な決まりでサプリメント業界が潤っている事実があります。
これらはすべて厚労省の利権の上に製薬会社が成り立つ業界の悪しき慣習ともいえます。
今回の事件は、今後のサプリメントの市場に大きな打撃を与えるかもしれません。それを防ぐために厚労省が出張ったせいで混乱が生じているのが2024年3月29日の状況です。
極めて闇が深いのが、美容健康業界なんです。
改めて、健康に一番大切なことは、
1.加工されていない質の良い食べ物を食べる
2.適度に運動する
3.しっかり睡眠をとる
です。
今後、益々、健康に対して人々の関心が高まっていきます。
上記の3つのファクトを1つのゲームにした健康トレーニング・アプリのようなものが流行るかもしれません。
多くの人は、潜在的に気づいています。
カンタンに健康になれる方法がないことを。
一方、カンタンではないと続けられません。このあたりをスマートにクリアできるサービスがイノベーションとして世界を席巻するサービスになるかもしれません。