身近になってきたグローバル展開

身近になってきたグローバル展開

海外進出で会社をスケールさせる糸口を考察してみた

身近なグローバル化

2019年時点で日本人の100人に1人が海外に住んでいるといわれています。

グローバル化といわれて久しいですが、あなたはグローバル化を身近に感じていますか?

ビジネスをしている人にとっては、自社へメディアへのアクセス解析を見れば海外からのアクセスがありませんか?
もしかしたら、海外から問い合わせがあるかもしれません。
もっといえば、もしかしたら海外のある国に販売すれば日本よりも売れるんじゃないか?

など、数年前よりも意識的に海外への意識が高まっているはずです。
この意識の変化は、自然なものでグローバル化の波があなたの足元にも及び始めています。
今後は、確実にグローバルの視点が必要です。
なぜなら、日本で完結するビジネスばかりをしていると必ず判断力が鈍っていくからです。

とある化粧品会社の話

例えば、ある化粧品小売メーカーの話をしましょう。

日本でコスメ(化粧品)をオリジナルで販売している企業はたくさんありますが、

この会社は、楽天市場やYahooショッピング、Amazonなどのショッピングプラットフォームに自社商品を出品して売上を上げていましたが、基本的にコスメ市場は、安くないと売れないため大きなロットで製造をかけてショッピングプラットフォーム内の広告を調整しながら1商品あたり低価格商品を1日数個~数十個程度を販売してなんとか利益を出していました。

実は、こういった実売数で推移する中小零細の企業は何もコスメを扱う企業ばかりではなく、他の業界も含めてほとんどの黒字企業の小さなB2C企業がこのようなレベルの売上状況だったりします。

このような小さい売上規模から抜け出せずにスケールできない理由は、

大手企業がターゲットしている「効果」に対して中小零細企業も同じようにベンチマークしていることです。

コスメやダイエット、学習塾やヘアサロンなどどのようなB2C企業でもあってもほとんどが効能効果にスポットを当てた商品やサービスを設計していますが、この効果について中小零細企業が大手に勝ることはなく、価格についても大手より安価に提供することは不可能です。

いわゆる、多くの企業が同じゴールをめざすことで市場がコモディティー化していることに気づいた前述の化粧品小売メーカがとった行動こそにグローバル化のヒントが隠されています。

化粧品会社がとった戦略とは

この化粧品メーカーがとった戦略は、たったの1つ。

販売先を日本ではなく海外に移したことです。つまり、海外卸です。

日本の多くのコスメ販売会社(コスメに関わらず多くの中小零細企業)は、ほとんどが5つに注視していますが、

・効果にこだわる
・レビューを集めて安心感を高める
・メディアに露出するなどして信用力を高める
・本を出版するなどして知名度を高める
・モノではなくコトを買う理由にするためのストーリーを設計する

この5つを実践すると、必ず大手やマーケットリーダーの商品やサービスで事足りてしまうことを自らが証明してしまうことになります。

そこでこの化粧品メーカーは、この5つを全て”やらない”代わりにあることをはじめました。それは、

・自社の歴史

をしっかりと作り込むことです。

もし、あなたが海外のメーカーから商品を仕入れいたい時、

1.販売実績がある有名な商品
2.無名だがその商品に対する長年の研究や情熱がある企業

どちらと取引をしたいですか?

・1.は、商品を仕入れたい
・2.は、企業と付き合いたい

海外の企業は、2.のユニークな企業を取引をしたいと考える傾向にあります。
理由は、様々ありますが、前述の日本の企業が実践する5つのことにもあるように海外企業においても自国の競合他社は、同じようなことを注視しており、つまるところ、違い(差別化)を見出すことができません。

商売とは、競争の末、相対評価によりユーザーに自社の商品・サービスが選ばれるか選ばれないかの現象にすぎません。
結局、競争の正しい文脈は、「戦略」であり、戦略とは、”戦いを略す”ことです。
戦いを略すには、その道を追求している「探究者」としての在り方が極めて重要です。特に海外では、日本人のそうした姿勢、真摯な取り組みに魅了されます。
この化粧品メーカーでは、自社の取り組みをひとつひとつ丁寧に資料をとして作成し、バイヤーに案内することで海外メーカーからの引き合いが増え、日本国内における不毛な取り組みを辞めることができ、コスメ開発の研究に集中することができるようになりました。
昨今、ささやかれている本当の意味でのグローバル化とは、粛々と自らが信じている道を歩む姿勢を明文化することです。
今まで、まじめに正直に”ナニカ”に対して取り組んできた人ほど、グローバル化の波に乗りやすいように思います。

あなたは、何をもって歴史を綴り、海外の人へその歩みを伝えたいですか?
海外進出のポイントは、これに尽きます。

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