消費のメカニズムを解読

消費のメカニズムを解読

売れる商品を自らの手で作り出す方法を考察してみた

人は、どういった理由で”ソレ”をいいね!と感じて欲しくなるのか?
人の消費行動のメカニズムを正確に理解した上で「狙って欲しくなるモノ」に仕立てることができれば、どのような商品でも魅力的に作り変えることができる。
本日は、売れるものを扱うのではなく、新規市場開拓又は新商品をどのように売れるようにしていくのか?という命題に挑戦していく内容です。
このスキルが身に付けば、売りたいものを売れるようになります。果たしてそのようなことは可能なのか?

感覚的な質

あなたは、「赤いモノ」から何を連想しますか?

赤いバラ、炎、赤信号、パプリカ…

頭に思い浮かんだ赤いモノは、同じ赤でも質感が異なるはずです。
赤いバラはしっとりとした赤だし、炎は火花を散らしながら勢いよく燃え盛るオレンジがかった赤だし…
この「しっとり」や「燃え盛る…」といったような『リアルな記憶』こそが人がもつ感覚的な質の正体です。

この感覚的な質の中でも

・消費者のTPOS(時間/場所/状況/様式)で変化しない
・多くの消費者が共通して感じる感覚的な質

を商品自体が持っている。

つまり、ヒット商品やロングセラー商品は、

商品に対して多くの人が同じ感覚的な質を感じて欲しくなっている
という特徴があるということです。
要は、商品を通して共通の感覚を共有できれば商品が欲しくなるというのが消費メカニズムの革新的な答えということです。

理解することとは?

商品の魅力が消費者に伝わる経路は、購入前では言語表現や視覚表現、購入後では使用感などの感覚的情報です。
何よりも先に購入をしてもらわないと売上が立たない訳ですから、とにかく購入前に商品の魅力がしっかりと消費者に伝わらないと何も始まりません。
そこでポイントになるのが「相関性」です。

例えば、「ライブやフェスに行けば熱狂できる」という共通の感覚がファンの中にあるからこそライブやフェスのチケットが売れる訳です。

つまり、『多くの消費者が購入したい!という消費行動を確実に促す共通した感覚的な記憶』を商品に装備することが極めて重要だということです。

例えば、

赤いバラは、フローラル系のさわやかな香り。口に含めば口臭もさわやかに…

のように、多くの消費者にとって共通する赤いバラの感覚的な記憶は、そのまま口臭にも効果的だと錯覚を与え購入意欲が高まります。
仮に赤いバラではなく「カサブランカ」であったなら、

恐らく購入意欲は高まらないはずです。バラよりもカサブランカの方が香りも強いにも関わらず…

つまり、「バラ」がもつ共通する感覚的な記憶は、

バラ→フローラル→いい香り→臭いをかき消す→口臭が気にならなくなる→欲しい

のように多くの消費者が同じように感じ、行動する法則のようなものが「バラ」にはあるのです。
要は、売れる商品というのは、一種の「バラ」が商品に装備されているということになる。

アサヒビールのスーパードライの場合は、

ドライ→辛口→キレ→スッキリとした飲み心地

というように飲みたい!と思わせる感覚的な記憶に誘導できた良い例である。

抑えたいポイント

重要なポイントは、

「色」や「形」も含めた行動(購入)に直結する共通した感覚的な記憶を想起するものでありながら、「感覚的な記憶」には”新鮮さ”が必要です。
真新しさは、感覚的な記憶を刺激できます。

・どのような感覚的な記憶を呼び起させたいか?
・その記憶は商品がもつベネフィットを体現したものか?
・その記憶は新鮮なものか?(使い古されていないか?)
・つまり、どのように商品を解釈してほしいか?

このあたりがしっかりと考え込まれた商品設定ができると過度の集客やセールスをしなくてもしっかりと商品が売れていきます。
世の中にはモノがあふれ、様々な比較対象の商品が存在しています。
その中から自社商品を選んでもらうには、商品の価値をいかに販売者が正確に捉えた上で消費者にわかりやすく伝えていけるか?にかかっています。
どれだけ消費者の心の琴線に触れることができるのか?どれだけ消費者の記憶にとどまることができるのか?
それらは、消費者の記憶と商品がもつ可能性とが強くリンクする必要があります。
自社商品が消費者の心に入り込むためには、どのような工夫が効果的なのかを是非、自社開発商品の中に見出してください。
新商品や新事業の成否は、段取り8割です。

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