お金が増える仕組み

お金が増える仕組み

経済の「からくり」からどのようにお金が増えていくのかを考察してみた

世界的な金融危機が叫ばれる中、日本・アメリカ・世界の経済状況を正確に把握し、今後の動向を予見するためのスキルを解説します。
難解ですが、資産を増やしたい投資家や経営者にとってはマストのスキルです。
今後の人生を左右する選択にあなたはどう立ち向かうのかが試される内容です。

経済のメカニズムとお金持ちロードマップ

経済は、お金を動かすスイッチである「取引」から端を発して次の3つの要素で変動を繰り返します。

1.生産力の成長
2.債務の短期的な周期
3.債務の長期的な周期

です。

まず最初にこの3つの要素の土台となる「取引」についてです。

経済は、取引の積み重ねです。
取引とは、モノを買う行為そのものです。
取引では、買い手が「お金」と「クレジット」を提供し、売り手がモノを提供します。

ここで重要なのが、買い手が売り手に支払う総額は、「お金」+「クレジット」であるということです。
この総額が経済を動かす原動力です。

中央銀行は、「お金」「クレジット」「利子」をコントロールできます。
もちろん、制御の指示をするのは中央政府です。

この中の「クレジット」は、信用という意味で用います。
中央銀行は、お金を刷ることができます。多くのお金を刷れば”お金のクレジット(信用)”は下がります。

つまり、お金は、その時々の「信用度合い」とセットで動いているということがポイントです。

続けて「利子」についてです。

銀行が個人や企業にお金を融資する際は、必ず利子を付けて貸出します。
利子が高ければ借用額は減り、低ければ増える性質があります。
元金に利子を加えた総貸出額の借用が締結すると、貸し手と借りての間でクレジット(信用)が生まれます。

まとめると、中央銀行は、

お金を流通させる際にクレジットと利子をお金の中に内在させているということです。

「お金=お金+クレジット+利子」ということです。

貸し手にとってお金は、「資産」です。
借り手にとってお金は、「債務」です。

なぜなら、お金には、利子が内在しているからです。
利子は、立場によって資産にも債務にもなりえます。

経済を知る上で最も重要な点は、立場に関係なく利子が資産にも債務にもなる点です。
立場に関係なく資産や債務の特徴は、「支出を増やせる」ことです。
貸し手も借り手も手元にお金が入ってくる状況なので、お金を使ってモノを買ったり投資をしたりして支出されます。
この「支出」こそが経済を支えています。
つまり、ある人の支出は、ある人の収入(所得)に繋がるということです。
よって、クレジット(信用)のある人にどんどんお金を貸し出せば、経済が動き続けるという結論になります。
特に信用のある企業に貸し出せば「生産力が成長」します。モノを多く作り出すことができれば比例して購入者の支出を増やすことができます。
モノが売れる時代であれば、金利を安くした上で企業にジャンジャンお金を貸し出すだけで経済が成長していきます。
これが高度経済成長期の時代です。

一方、現在の日本では低い利子であるにも関わらずお金を借りる人が少ない状況です。
お金を借りる人が少なければ支出する人が減ります。よって経済が動かなくなってしまいます。

では、なぜ、お金を借りる人が減ってしまったのでしょうか?
それは、お金を借り過ぎて返すのが精いっぱいで新たに支出をしようと思わないからです。

「短期的な債務」によって経済が発展(高度経済成長期)し、「長期的な債務」によって経済が停滞したのが今の日本です。
つまり、債務というのは、短期的であれば支出を増やし景気が良くなる反面、債務が長期化すると支出を減らし景気が悪くなる性質があるということです。
また、この債務の短期化と長期化の波は、必ず起こります。
今の日本は債務の長期化の波の底にあるという認識が正しい経済の見方であり、モノの値段が下がるデフレは支出不足が原因であることが明白です。

この状況を打破するには、4つの方法があります。

1.個人・企業・政府(銀行)が支出を縮小する
2.債務を帳消しにする
3.富裕層から貧困層への所得再分配をする
4.中央銀行が新しいお金を刷る

です。

日本では、「1」が長らく実施されています。緊縮財政です。
特に企業では、支出を減らすために雇用を削減します。
よって、失業率が高まるか、高い失業率が続きます。

さらに銀行はどうでしょうか?
支出、つまり借り手の借金は、他者の所得です。銀行の収入ともいえます。
貸し手の銀行が借り手に融資をしないということは、銀行の収入が増えません。
よって、銀行に対する先行きの不安から国民は預金を引き出そうとします。
しかし、引き出し額に制限がかかり引き出しができません。
このようなことは世界中で起き始めています。

日本に話を戻すと「2」は実施していません。
「3」はやるやる詐欺で現在まで実施には至っていません。
「4」は、2024年の4~9月に予定されています。1946年にインフレ対策で導入された新円切り替えが再び2024年に予定されています。

日本では、バブル崩壊から失われた30年、この期間は1991年~新円切り替えの年までとした場合、1991年~2024年までの「33年間」はずっと緊縮財政が維持されていたとも言い換えることができます。
アメリカ、イングランド、ヨーロッパは、2008年に「4」を実施しました。
ちなみに、お金を刷るとハイパーインフレの危険性が高まると危惧されますが、そのようなことは先進国では起き得ません。
なぜなら、前述の通り支出を増やすことが経済を動かす起爆剤です。よって、支出が増える程度の最低限度のお金を流通させるようにしっかりとコントロールしています。持続化給付金や一人10万円の補助金も高度に計算されて算出された金額であるということです。

つまり、国民の債務を減らし、支出を増やすことで経済を稼働させますが、国民の債務の多くを減らし多くの国民が経済的に豊かになるまでのお金を市場に放出することはありません。
なぜなら、経済の成長率が低くても、債務が多くなければ国民は「最高ではないけど、最低でもない」からです。オメラスの神話に例えると、「暗い地下に閉じ込めら得た者は一人ではなく大半の国民である」状況を堅持するのが日本政府の方針です。多くの人が”平均的”であればあるほど国の運営は易しくなるからです。

ちなみに日本政府が考える2024年~の経済対策の方針はこのような具合だと推察します。

・所得よりも早く債務を増えさせない
→債務負担に耐え切れなくなり支出が減ってしまいます。自分の支出は他社の収入です。
⇒とにかくこれ以上、債務を増やさないように所得を増やす取り組みを推奨します。昨今の起業支援や投資推奨はこのためです。気づいていましたか?

・所得を生産性よりも早く増えさせない
→所得が生産性よりも早く増えてしまうと競争力が失われます。
⇒お金をバラマキすぎると働かなくなるため、良いモノが生産されずに結果的に支出の総量が増えない。

生産性を向上する努力を惜しまない
→長期的に見れば生産性の向上こそがお金の成る木です
⇒中国がそれを体現しています。生産力を高めて売りまくることがシンプルに成長のエンジンです。

このように経済を正しく読み解くと、「真実」や今後の景気予測が可能になります。

・結局、日本は昔も今も、そして未来永劫、「緊縮財政が続く」ということ。
・日本の政党でこの事実を理解した上で政府の緊縮策こそが愚策であり不景気の元凶であることを公言している正しい(経済学的には)政党があること。どこだと思いますか?
・2024年~少なくても10年間は日本の株価が上昇していくこと。

あなたなら、他にどんな予測を立てることができますか?
ちなみに、この経済の「からくり」から未来予測ができることよりも遥かに重要な”気づき”が得られた人が少なからずいるはずです。それは…

債務の短期的な周期に突入している国で売りまくる

ということです。

日本でお金持ちになる(この場合、2桁億円の個人資産を保有)には、次の3つの方法しかありません。

1.IPO
2.エグジット(二段階エグジットを含む)
3.M&A

しかし、長期的に見ればいずれ先進国の仲間入りを果たす新興国に現地法人を作り売りまくると…

その夢は現実味を帯びてきます。

あなたは、日本の経済推移を予測してどのような選択をしますか?

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