円安動向の最新情報

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マネタリーベースから今後の円安の進行を予測してみた

円安の動向を探るには、「マネタリーベース」を見ることが重要です。
マネタリーベースとは、「資金供給量」のことで当座預金残高の合計のことです。
ドルのマネタリーベースと円のマネタリーベースを注意深く観察することで円安の動向をうかがい知ることができます。
今一度、この記事(円安がどこまで進行するか?いつまで続くか?予測してみた(2))をご確認の上、続きをご覧ください。

結論から先に申し上げると、2022年10月15日現在でのマネタリーベースを参考に推測すると…

この記事で既に解説している通り、円安の天上は最高値でも159~160円です。(160円の大台には乗らないと思いますが…)
均等相場で換算すると、この数値は1990年4月の水準で今まで”日本が経験していない水準”ではありません。

よって、円安の最高値は159円。現実的な数値の幅は、150~155円に収まるはずです。

150円にのるのか?

円安が進行し、果たして150円まで円が安くなるのか?について多くの投資家の関心が集まっています。
その答えは、現在の状況であれば150円まで円安が進行するはずです。

理由は、3つあります。

1つ目は、このブログの読者の皆さんはよくご理解いただけていると思いますが、日本の現政権の経済政策の方針は、中小企業を潰し大企業を儲けさせることです。
では、現在、大企業の業績はというと…

儲かっています。

日本は既に貿易収支割れしており、貿易ビジネスで稼げない国になったと言われていますが…
『正しい文脈は、大企業の輸出ビジネスは儲かり、中小零細企業の輸入ビジネスは儲からない』
というのが正しい認識です。日本の企業の大半が中小零細ビジネスですから貿易における輸出と輸入を合わせて貿易収支ではマイナスであっても大企業の輸出益で見れば儲かっているのです。

ちなみに一番儲けているのは「財務省」だったりします。
なぜなら、外務省が保有している外国債権のほとんどがドル建て資産だからです。

2つ目は、円が安くなると輸出企業は、薄利多売になりますが、より広い顧客を相手に商売ができるようになります。
かつての中国が意図的に人民元を安く設定し、世界中から受注を勝ち取り経済大国になったように。
(現在は、アメリカに圧力によって中国が人民元を意図的に安くコントロールできないようになっていますが、それでも安い設定を維持しています。実は中国の経済成長はこの安い人民元の設定により貿易収支に恩恵を与えています)
そうなると、問屋が黙っていません。そう、アメリカです。
しかし、現在までアメリカが日本へ圧力をかけてきている状況にはありません。

3つ目は、円安を容認する機運がまだ高まっていないからです。
先日、ユニクロの柳井社長が円安について非常に強い口調で懸念している模様がテレビで放映されました。
あの内容を見て皆さんはどう思われましたか?
私は、極めて”しめやか”だと感じました。
円安のおかげでユニクロは大きく業績を伸ばしました。しかし、円安に対する懸念を示す…なぜでしょうか?
円安が円高に振れ、円高推移に反転する時は、決まって「円安を容認する機運」が高まることを知っているからです。
影響力のあるユニクロが円安を容認すれば、円高推移に反転するスイッチを自らが押してしまうことになりかねません。ユニクロは昨今の円安進行で儲かっている大企業のひとつです。

以上のことから少なくても年内中は、”しっかり”円安が進行するはずです。
そもそも観光立国をめざす日本の景気対策は、今現在、海外からのインバウンドで復権が始まったばかりです。
大企業の輸出ビジネスと大企業のインバウンドビジネス(中小零細企業の観光ビジネスも含まれる)から漏れた中小零細企業のビジネスは今後、益々、厳し経営が続くことを暗に示唆しているのが現政権の経済対策の真実です。

あなたは、この円安時代にどのような投資やビジネスで資金を増やそうと考えていますか?

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