オークションを利用した錬金術とは?

オークションを利用した錬金術とは?

時間軸を起点にしたビジネスのあり方と利確のためのオークションビジネスの攻略法を考察してみた。

上げ相場の理由

2020~2021年にかけてコロナウイルスの影響によって世界の経済は悪化しました。
一方、株式市場は過去30年で最高値を更新しており、僕たちの生活(実体経済)に伴わない好景気のバブル状態にあります。
株価に限らず、金、プラチナ、不動産、暗号通貨など相場は右肩上がりで上昇しています。

なぜ、こんなにも多くの相場が上昇しているのか分かりますか?

それは、市場に多くのお金が供給されているからです。
例えば、アメリカの場合、2019年に3.4兆ドルだったマネー供給量(マネタリーベース)が2020年には4.9兆ドルに増加しています。
日本の場合は、514兆円(2019年)から601兆円(2020年)にまでに急増しています。

ここ数年で日本でも金融緩和政策によって90兆に迫るお金が市場に投入されていますが、庶民感覚ではなかなか実感できていないのが現状だと思います。
ただ、富裕層も現状のバブル的な経済を楽観視しているわけではなく、「オルタナティブ投資」への関心を強め、ポートフォリオの見直しを加速させています。

オルタナティブ投資とは

株式や債券以外の資産への投資のことで、僕の友人もポートフォリオの株式比率を抑えて様々な投資対象へ投資を行っています。
いわゆる代替投資として、金、プラチナ、不動産は古くから人気が高い投資先であり、スモールビジネスで成功し、ある程度の余剰資金がある人は必ずと言っていいほどこれらのものに投資をします。(特に日本の起業家の場合)

プライベートバンクの真実と現代アートでも触れた通り、アート投資は確実に日本でも市場が大きくなる分野でありワイン、クラシックカー、ブランドバック、高級時計などのコレクション投資市場も今後、手堅いオルタナティブ投資のひとつです。
ただし、希少性が高ければ必ず値上がりするものでもなく、そこには必ず「指標」があります。

例えば、美術品オークション「Sotheby’s(サザビーズ)」は、1950年から2020年までの美術品の落札データを分析した「Sotheby’s Mei Moses Index」という指標を用意しています。
この指標によると美術品の投資利回りは年率で8.4%。さらに10年間の上昇と下落を標準化したトータルリターンでも+49.7%という投資成果が出ています。
このような「指標」を上手に活用した投資方法を考えてみると、サザビーズで落札した美術品Aを5~10年後にサザビーズへ出品。落札利益で美術品Bを買って…という売買手法を繰り返す方法はいかがでしょうか?

この投資方法は、もはや商売の基本である「安く買って高く売る」に倣った考え方であり、トータルリターン比率でプラスに転じているオークションを見つけることができれば投資回収率は確保されたも同然です。

毎日、利確できる錬金術

実は以前、僕が勤めていた買取ビジネスを行うリユース会社にてこの方法を提案したことがあります。

他社は、一般のお客様から買い取った品物をその日のうちに業者オークションに転売することで毎日「利確」する運用モデルを採用していることがわかっていたからです。
残念ながらこの提案が通ることはありませんでしたが、この「利確」モデルに気付いた数少ないリユース企業は数年で2ケタ億円の売り上げに達しました。(20代で数十億の年商を稼ぎ出す若き社長も知り合いにチラホラいました)

前述のサザビーズでは数年単位、買取ビジネスでは1日単位と運用できる金額が多ければ多いほど利確までのターム(期間)が伸びますがその分、利益額も比例して高まります。
こうした錬金術は、『時間軸』を味方につけた賢い投資方法といえるでしょう。

利確できる市場とは

この他にもフェラーリ、ポルシェ、ベンツ、アストンマーチンなどのクラシックカーを専門とした指標やワイン、時計、切手、コイン、ハンドバッグなどを指標にしたものもあります。
エルメスバッグ(バーキンやケリー)などは、車のように走行距離によって価値が目減りするようなものではなく、保管場所にも困らないことからコレクション資産としての価値はどんどん高まっていたりします。

このように”どのオークション会場に「利確」モデルが内在しているのか”の視点で再販ビジネスを構築することが昨今の金余りの情勢に一石を投じる新規ビジネスの着眼点になりえると考えています。

あなたは、どの市場を狙った新規ビジネスに参入したいですか?
利確できそうな市場に事業として参入するのではなく、「利確」モデルが内在するオークションにおける指標(データ)提供や推薦サービス(レコメンドサービス)と題した富裕層向けの会員制メディアなんかは日本の高額所得者やニューリッチ向け情報提供サービスとして面白いかもしれません。

このブログでは、他では得られないニッチな情報を織り交ぜながら事業ポートフォリオのひとつとしてチャンレジできる新規事業ネタを中心に考察しています。
金融ポートフォリオにも折に触れながらブログ読者の皆様に関心の高いテーマを記事にしていきます。

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