個人資産の増やす唯一の経営手法
経営者に残された個人資産を増やす方法について考察してみた
日本の税制では、会社の経営者にとっては極めて不利な制度です。
例えば、会社を経営すると必ず法人税が徴収されますが、代表者の給与所得に対しても課税されるダブルタックス制は経営者にとって重い負担になります。
この税制度によって、日本ではいくらがんばってもなかなか個人資産を増やすことができません。
現実的に億単位の資産を法人の内部留保ではなく個人の資産として形成する方法は、数少ない以下の方法に限られます。
億単位の資産形成
1つ目は、IPO。つまり株式を公開して上場することです。
2つ目は、M&A。つまり会社の売却です。
(二段階イグジット。つまり、一部の株式を残した上でパートナー企業と会社を成長させた上でIPO又はM&Aを実施する方法も含みます)
この2つの方法は、努力だけでは達成が難しい大きな壁です。
会社を上場させることも会社を高く売れるように成長させることも経営者にとっては極めて難易度が高いタスクといえます。
本日は、前述の内容以外の方法を解説していきます。
会社分割
会社分割とは、長く経営をしていくと本業以外の資産が滞留していることが多いはずです。
例えば、高級社用車や暗号通貨のマイニング機器、絵画やオルタナティブ資産といった簿外資産です。
これらの資産を別の会社に分割をした上で本業の事業ドメインだけを売る手法が「会社分割」です。
この手法のメリットは、20%の譲渡益課税を繰り延べることができます。
つまり、一度に売却をした場合、全ての資産に20%の課税がかかるのに対して会社分割した場合は、この課税の繰り延べができるという訳です。
海外移住
日本に住んでいると会社売却にかかる税金は、20%(所得税+住民税)になります。
これが住民票のない海外にいって売却すると、その土地の住民ではないため住民税がかかりません。
結果的に譲渡益住民税の5%が減額になります。これは繰り延べではなく5%分の税金を払わなくて済むということです。
シミュレーション
もともと6億円の総資産がある会社が、1億円の本業を旧会社として残りの5億円の資産を新会社として会社分割をしました。
その上でシンガポールに移住した当該会社2社を売却すると…
約10億円の売却代金になるのに対して上記のスキームをしない場合、8.8億程度になってしまいます。
結果的に、会社分割と海外移住を同時に実施した場合、1.2億円多く手残りを確保できるようになります。
会社売却代金が10億円前後の大きな金額になる場合は、このスキームで1億以上のお得になります。
このスキームは、M&Aの評価ではなく売却設計次第で手取りベースの金額に大きな差を出せるのが最大のメリットです。
まとめ
結局、日本でお金持ちになるには(個人資産で数十億円を手に入れるには)、
事業を立ち上げ、成長させ、売却する
以外に方法がないというのが結論になります。
現実的な方法のひとつは、
M&Aで会社を買収した後、経営に参画して会社を成長させた上で売却することです。
つまり、自分のスキルの他、経営リソースを全て投入することで会社の評価を上げるための「全リソースの見直し」が必要です。
・自分が得意なこと
・今まで関わってきた人脈の中で活用できそうな対外リソース
などを一度、棚卸しした上で適切な会社を買うことが個人資産で数十億円を手に入れる近道です。
あなたには、どのような武器がありますか?一度、整理してみてはいかがでしょうか?