先進国債権の妙技(1)
債権投資についてわかりやすく解説してみた
企業が大きく成長すると必ず「銀行業」に興味を持ち始めます。
楽天銀行やイオン銀行、セブン銀行など小売企業が順調に成長した末に銀行業に参入しています。
では、なぜ銀行業をやりたがると思いますか?
理由はカンタンです。
銀行業の主な収益は、手数料です。
お金の取引毎に手数料が稼げるある意味でのストックビジネスともいえます。
もう少し根源的なところでいえば、お金を余らせているならお金に稼いでもらったほうがより効率的に収益を獲得できます。
つまり、「お金を貸してお金を儲けるビジネス」です。
お金持ち全てが銀行業を営むことなどできるはずもありませんが、お金を余らせている個人がお金を貸してお金を儲けることは可能です。
そんな投資先が債権投資です。
債権投資とは
債権投資は、富裕層に資産ポートフォリオにおいて極めて重要な役割を果たしています。
債権といっても円建ての債券ではありません。日本の債権の金利は、0%台のためインカムゲインは得られません。
つまり、債権とは、外国の債権のことを指してるといっても過言ではありません。
債権投資とは、債権を発行している国、地方公共団体、企業などに外貨でお金を貸すことで「外貨の利息」が得られる投資です。
これを外国債券投資といいます。債権には、期間が設けられており満期に元本が返ってきます。
ちなみに、外国債券は米ドル建てで取引されるため、米ドルでお金を貸して米ドルの利息が得られる投資ともいえます。
外国債券の特徴は、
・毎年安定した外貨建ての利息収入が得られる
・株式より値動きが安定している
この2点のメリットが富裕層に選ばれています。
デメリットを上げるとすれば、1つの債権で5万米ドル(700万円以上)の投資が必要です。
10個の債権ポートフォリオを組んでリスク分散をさせてながら安定的な運用をしたい場合は、最低でも7000万円が必要です。
株式と債券の違い
2つの投資の違いとして、
株式の目的は、キャピタルゲインであり、債権は、インカムゲインです。
つまり、債権投資の正しい目的は、定期収入を得るということです。
目標リターンは、株式の場合、年5%以上である一方、債権は、年5%未満です。
価格変動は、株式の場合、大きく、債権の場合は、小さいです。
おすすめの投資方法は、株式の場合、「ファンド」であり、債権の場合、「個別銘柄」です。
個人投資家の中には、株式投資において個別銘柄を勉強し、個別に投資をする人がいますが、それはおすすめしません。
理由は価格変動性が高い株式に個別でアプローチすることへのリスク分散ができないからです。
どんな債権があるのか
債権というのは、世界中にたくさんありますが、格付け順に一部をご紹介します。
Aaa(トリプルエー)から順に利回りが下がっていきます。
つまり、Aaaに格付けされている債権が最も安全ですが最も利回りが低い債権ということです。
Aaa:アメリカ、オーストラリア、ドイツ、スイス、シンガポール/アップル、マイクロソフト
Aa:イギリス、香港、フランス/アマゾン、トヨタ
A:中国、日本、メキシコ/ファイザー、ホンダ
Baa:タイ、フィリピン、南アフリカ/マクドナルド、日産
Ba:ベトナム、ブラジル/フォード、ソフトバンクG
B:トルコ、ギリシャ、エジプト/アストンマーティン
倒産率
ちなみに、なぜ債権投資が安定的なインカムゲインを得られやすいのか?は、
各債権は、格付け毎に倒産率が示されています。
例えば、10年で倒産する確率は、
Aaaで0.01%、Aaで0.61%、Aで1.98%、Baaで3.09%です。Baaを見れば10年で倒産する債権は、100社中たったの3社です。
Baa以上は、投資適格債と呼ばれており、機関投資家や年金運用に投資先はこれらの安全性が極めて高い債権への投資運用がなされています。
償還日
債権というのは、1~10年の満期が定められており、発行会社を分散するとともに、満期の分散も必要です。
仮に、5年債権のみを10個ポートフォリオに組んだ場合、5年後の金利が安くなっていた場合は、償還される金額が総じて減ってしまいます。
3年、5年、10年など満期を分散することでもともと安定性が高い債権投資を更に安定的に運用することが可能です。
このような理由から、先進国債権のみでポートフォリオを組む投資家も存在しています。
国内不動産投資と併用することがよりリスクエッジに繋がりますが、不動産に興味がなく、余剰金をインカクゲイン目的で投資したい人にとっては先進国債権投資はピッタリの投資方法です。
あなたは、どのような債権に投資をして安定的にインカムゲインを得たいですか?