先進国債権の妙技(2)
債権投資についてわかりやすく解説してみた
前回の記事(先進国債権の妙技(1))の通り債権投資について更に深く解説していきます。
円高の正体
世界のマネーの原理原則は、金利が高い国に集まるということです。
昨年の2022年は、金利が高いアメリカにお金が集まる一方、アメリカと相反する日本の円は、円安が進行して世界中からお金が集まりにくい状況です。
日本政府は、保有しているドルで円を買う円買い介入を行い、ドル高円安にメスを入れたのが2022年末です。
先日の米雇用統計の発表前は、ドル円が134.62円でしたが、現在(記事執筆時)は、129.07円まで円高が進行しています。
実は、政府により介入は、2022年9月22日から水面下で段階的に実施されていました。
その後、数回の介入を経て2023年を迎え、現在のドル円は、(記事執筆時)は、129.07円です。
ここで注意しておきたいポイントは…
円買い介入というのは、日本の外貨準備高の範囲で行わる点です。
つまり、184兆円の範囲で円買い介入が行われますが、この中の預金分(19兆円)の範囲でしか介入が行えません。
この数字が何を意味するかといえば、日本の為替市場の1日の取引量は、100兆円です。
何が言いたいかといえば、”円買い介入の効果はほとんどない”というのが正しい見方です。
一方、現在のドル円は、(記事執筆時)は、129.07円です。
つまり、政府の介入がきっかけで現在の円高が進んでいるのではなく、他の理由で円高に振れているということです。
ここをしっかりと抑えていなくてはいけません。
長期国債とは
債権投資を行う上で最も重要な指標は、
アメリカの長期国債の金利です。長期とは、10年国債のことを示唆しているという認識でほとんど間違いありません。
この金利が上がると、債権の利回りが連動して上がります。
アメリカの長期国債の金利は、過去10年で右肩上がりです。
現在、円高が進行している最中でも、アメリカの国債の長期金利は、3.4%であり、前日比率で+0.005%です。(2023年1月13日時点)
まとめ
先進国債権の投資をする場合は、アメリカの長期金利をしっかりとベンチマークすることが重要です。
日本の年金機構や機関投資家の多くが債権投資を金融ポートフォリオに組み込んでいます。
だからこそ日本のニュースでもアメリカの動向をちくいち伝えています。
アメリカの動向を探るニュースが多いのも頷けます。
もし、投資に迷われている方は、過去10年、右肩上がりで推移するアメリカの長期国債を基準とする先進国債のポートフォリオを組んで債権投資にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?