多様性をイノベーションに繋げる

多様性をイノベーションに繋げる

採用戦略のコツについて考察してみた

この記事(新時代の幕開け)でも少し触れた「創発民主主義」とは、多様性から”もっとも確からしい答え”が導き出されるメカニズム。

古くから意思決定の現場で多数決制度が導入される理由は、”多くの人が思っていることは概ね正しい”という性善説にのっとっているからです。

もちろん、多くの人が信じる事象が科学的に正しいか?は別の話ですが…

この創発民主主義的な多様性からイノベーションが生み出される事実は、概ね正しく、タイプの異なる人種の叡智を結集することで新しい文化を作り上げて収益を高める活動は、

ITを活用した労働集約型の会社で業績を伸ばしているグローバル企業に見ることができます。

その最たる例は、製薬会社やゲームクリエイト会社だったりします。

知見の異なる考え方やアプローチをゴール設定へと束ね、導くことで破壊的なイノベーションを起こします。

つまり、中小企業が中堅企業や大企業へと変貌する過程で必要なことは、代表者とは異なる発想を持った人材の登用によるイノベーションの発芽です。

新しい人材を向かい入れるフェーズでは、なかなか自分(代表者)とは異なる感性や文化を持った人材への拒否反応が高まるのは、人事採用戦略の”性”ですが、これを乗り越えることで金の成る木を生み出す自社コンテンツの創造を実現できるかもしれません。

人材採用の妙技

では、どのような人材を確保することで、新しい事業や収益アップのとっかかりになるのでしょうか?

答えは、2つです。

1つ目は、人(働く人)が幸福を感じる資本を正しく理解すること。

2つ目は、人(働く人)のタイプのバリエーションを意識してチームを組むこと。

一つ一つ確認していきましょう!

まず、人(働く人)が幸福を感じるためには、3つの条件があります。

1)お金に余裕があること
この場合のお金とは、収入と支出のバランスが取れた状態で”ゆとり”や”安心”が生まれる給与制度です。
例えば、最近、ユニクロでは初任給が25万5000円から30万円に引き上げられましたが、この「30万円」という金額は実に絶妙な金額設定です。
奨学金の返済などがなく、お金の教養が一定程度ある人にとっては、自立した生活を送りながら毎月、5万円を貯金しながら5万円を遊興費にあてても生活が成り立つ金額です。
より仕事にコミットするために一番最初に会社側がクリアしなければいけないタスクでもあります。

2)稼ぐ能力があること
これは、任せられる役職や業務などによって自己肯定感を得るのに高い壁があるタスクともいえます。

3)人間関係が良好であること
「仕事の問題の8割は人間関係」という通説?がある通り、会社の努力と個々人の努力の両方が必要なタスクといえます。

この3つの中で1つも満たされないと離職率が高まります。
2つが満たされれば、組織に属する期間が長くなり、イノベーションを創造する源泉になります。

ちなみに、3つ全てを満たすことはできません。もし、満たすことができていると感じる人がいるなら勘違いです。
(逆説的に言えば、勘違いして働いてくれたほうが社長的には都合がいいのかもしれませんが…)

次に、働く人のタイプが偏らずに意識して採用することで多種多様な人でチームを組むことです。

人は、以下の通り大まかに9つのタイプに分けることができ、採用時やチーム編成の際はこのタイプを意識しながらチームを組むことが大切です。

∟タイプ①:完璧主義な人
十全な様を好み、それに向けて努力できるタイプです。
(意識はしていないものの、自然と他者にも十全な様を求めてしまう)

∟タイプ②:実益性の高い人
人の役に立つことを好み、他者に優しくできるタイプです。
(意識はしていないものの、自己犠牲の代償に他者に感謝や恩返しを求めてしまう)

∟タイプ③:成功主義な人
金銭的な成功を好み、そのために効率的な道を選ぶタイプです。
(成功することが全てであり多くの犠牲を許容して突き進んでしまう)

∟タイプ④:希少的でありたい人
平凡を嫌い、自分が特別な存在であることを自認するタイプです。
(感受性が豊かなため、時に周囲とうまくいかないことがあります)

∟タイプ⑤:観察する人
分析力や洞察力に長け、状況を正しく理解したいタイプです。
(知識獲得が大好きであり人を信用せずに自分が出した答えに傾倒してしまう)

∟タイプ⑥:安全第一で慎重な人
確約がないと不安を感じ、行動できない一方、安心できれば忠実に働くタイプです。
(自ら突き進んで物事を成すことができず、弱き者には攻撃をしてしまう)

∟タイプ⑦:楽観主義な人
楽しいか否かで判断し、好奇心と想像性が強いタイプです。
(楽しさを優先するあまり、過去の失敗から学ぶことができません)

∟タイプ⑧:自己主張が強い人
自分が信じる道を勇気をもって突き進むタイプです。
(自分は正しいことを言っているが周りはそれを理解できないと感じてしまいます)

∟タイプ⑨:調和を重んじる人
平和主義者であり、心が乱れることを嫌い粛々と働きたいタイプです。
(自己主張はせずに周りに歩調を合わせてしまいます)

このように人間の本質を9種類に分ける手法を『エニアグラム』と呼び、人は必ずこの中の1つ以上の本質的な価値を持っているといわれています。

大手企業でも人事管理やプロジェクト管理において重要な指標として使われています。

あなたは、どのタイプに当てはまりましたか?

私の場合…①④⑤

完璧主義ではありませんが、整理されていないと落ち着かないタイプで、
人がやっている”ありふれたコト”よりも”誰もやっていないコト”に興味を持ち、
今置かれている状況を正しく理解しておきたいタイプです。

研究者タイプといっていいかもしれません。顧問的な立場が適材適所です。

ちなみに、私の偏狭な知識と経験上、このタイプはチームに入れてはいけない!という本質的タイプがあります。
(正解ではありません。あくまで私の経験上です。)

それは…

①と⑧

①と⑧の人の特徴は、本人にとっての正義に基づいて完璧な様を強要してしまうタイプです。
必ず、人間関係の乱れを引き起こします。

逆説的にスタンダードな組織やチームのタイプ別バリエーションは、

・③の社長がTOPに君臨して、リーダーが③、補佐役に①④⑤、その他の従業員が②④⑤⑥⑦⑨の体制でビジネスを運営していくととても良い組織になりそうです。

③のリーダーと①④⑤の補佐役が結党して社長を排斥したり共に独立したりしないように③の社長はリーダーと補佐役とのコミュニケーションを欠かさないように注意が必要です。

あなたなら、どのような社内構図を描き、創発民主主義でイノベーション(金の成る木)を創造したいですか?

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