滅びゆく日本でイノベーションを起こす源泉
相互補完関係で成る「共同体自治」の重要性について考察してみた
この記事(多様性をイノベーションに繋げる)でも少し触れた通り人が幸せになる条件はいくつかありますが、OECD加盟国の中で最下位あたりをうろついているのが我が国、日本です。
子供から大人まで幸福度が低い残念に国でもあります。
例えば、幸福度を図るためのいくつかの指標のひとつに「自分が価値ある人間である」と思うか否かを示した指標では…
中国は40%以上、アメリカは50%以上の高校生が自分の価値を認めているのに対して日本の高校生は10%を切る結果となっています。
つまり、「自己肯定感」が低い若者が多いのが日本ということでもあります。
自己肯定感が低い人は、自己防衛に走りがちです。
防衛に走るとどうなるのか?を一つの例を挙げて解説してみます。
日本からイノベーションが生まれない理由
学会では、様々な論文が発表されます。
その中でもどのような研究領域の論文を出せば出世し、名誉・名声が得られるのか?が先行し、そのルートから外れた研究領域に光が当たることはありません。
一方、イノベーションが次々と生まれる国では、
メインストリームである研究領域以外であっても果敢にトライ&エラーを繰り返すチャレンジャーが後を絶ちません。
日本人のように自己防衛に走ることなく、価値ある自分が成すことに自信と誇りを持っているからです。
知的財産分野でアメリカに大きな差を許し、ユニコーン企業が未だに一社も日本から誕生していない理由は、まさに日本人の”自信の無さ”から端を発する由々しき問題です。
つまり、自己肯定感が低いと自己防衛に走り、チャレンジをしなくなる
という構図が生まれてしまうわけです。
日本の現状
前述の通り日本人の気質の問題の他にもうひとつ大きな問題として、「現状認識力の低下」という問題があります。
現在の日本は、スタグフレーションであるという認識です。
スタグフレーションとは、景気が後退していく中でインフレーション(インフレ、物価上昇)が同時進行する現象のことです。
日本はエネルギー資源を輸入に頼り、化石燃料がエネルギーの中心的資源ですが、
化石燃料は、今後、採掘コストが高まっていくハードオイル化が進み、原発においては安全意識の過度な高まりによってセキュリティーコストが高まっていきます。
つまり、生活コストがどんどん高まる一方、賃金は上がらない産業構造によって益々、貧困が進んでいきます。
日本の未来
日本人は、自信の無さから自己防衛に走り、現状認識の低下が極まった結果、同調行動に傾きやすく、容認しがたい現状悪化の様を何もせずに受け入れていきます。
なぜなら、周りもそうしているからです。
そのような人がどんどん増えていくと電気代が高いことが当たり前になり、賃金が上がらないことも受け入れ、益々、貧乏な国になっていきます。
最終的に日本が辿る道は、観光立国としての小国です。
水資源などの地理的な魅力や既存のアイディアの質を高める探究心から生み出される品質の高い有機的なモノは、日本のアセットとして残っていくでしょう。
つまり、これからの30年をどう生きるかは…
あなたが自分のことを価値ある人間だと肯定できるヒトであれば、
スタグフレーション下にある現状を招いた既得権益に異議を唱え、あなたが信じる道を同志と共に突き進むことです。
決して難しいことではありません。
例えばある県の自治体では、50世帯を対象に太陽光パネルの設置を義務付け、24時間365日に渡って50世帯が発電した電気を1ヶ所の蓄電センターに集約させることで毎月一定の電気量を再配分するインフラを整備しています。
これにより昨今の電気代高騰の波を抑えています。
このインフラのパッケージは、立派なイノベーションです。
この取り組みは、「共同体自治」と呼ばれるもので最小単位のユニットで各々の役割を果たすことでリソースを還流させる仕組みです。
古き良き日本の慣習であり、現在の金融市場の覇権を握るユダヤ教や経済市場で頭角を現してきた中国人ネットワークも「共同体自治」のような相互補完関係によって各々の役割に従事しています。
どうか、あなたがリーダーシップを発揮して相互補完関係で成る共同体を作ってみてください。
その形態は、家族でも会社組織でも構いません。
相互補完関係で成る小さな共同体こそがスタグフレーションが進む日本で快適に生きるための唯一の道であり、企業としてイノベーションを創造する源泉です。