卸販売の実態
実在する会社の四半期報告書から卸販売のうまみを考察してみた
本日は、この記事(★マネタイズに欠かせない3つのポイント)でご紹介した化粧品業界19位の「フォーシーズHD」の四半期報告書からどのようにビジネスのヒントを読み解くのか?を掘り下げます。
四半期報告書の見方
四半期報告書には、ビジネスのヒントの宝庫です。
なぜなら、何をどのように展開しているのか?を株主に対して説明しなくてはいけないからです。
注意点としては…
上場企業のため、ほぼ100%の確率で複数の事業ドメインを運用しているため、気になる事業(ご自身の事業ドメインやこれから起業する際に参入する事業ドメイン)単位でお金の流れや施策方法を読み解く必要があります。
フォーシーズHDの場合は、
・通販事業
・化粧品卸事業
・衛生コンサルティング事業
・アロマ事業
の4つのセグメント(事業)で構成された組織です。
この記事では、化粧品卸事業にフォーカスしていきます。
卸販売のポテンシャル
卸事業は、国内卸と海外卸で構成されています。
売上高215,596千円、利益70,145千円です。
2億円の売上で7千万円の利益が出ているということです。
報告書を見ると、国内外の卸販売のメイン商品は以下の通りであり、
・ナチュラルアクアジェル(税抜2500円)
・ホワイトクリアジェル(税抜1400円)
・エクストラオイルクレンジング(税抜2000円)
・スペシャルパウダーソープ(税抜1600円)
国内では、ドラッグストアやバラエティストアへの店舗展開、海外では、東南アジアを中心とした卸販売を実施しているようです。
卸販売は1商品でいくらの利益になるのか?
2022年10月1日~2023年3月31日の半年間のセグメント別売上は、
215,098千円です。利益は、70,145千万円。
つまり、2.15億円なので通年すると4.3億円ということになります。
4つの商品の国内外の卸販売で『4.3億円の売上、1.4億円の利益』を達成している計算となり、
ざっくりですが、1商品を国内外の卸展開をした場合、売上1億円、利益3千万円が見込めるという目安になります。
ちなみに利益率は、以下の通りです。
・通販事業27.5%
・化粧品卸事業32.6%
・リテール事業10.8%
・衛星コンサルティング事業37.3%
この数字から、卸販売をする場合は、少なくても商品の下代(卸価格)は、30%以上を上乗せした価格で卸す必要があるということがわかります。
実際には、輸送費等々の諸経費がかかるため、目安としては40%程度。
4商品の平均下代を1125円と仮定した場合、25.7万本を卸している計算になります。1商品あたり6.5万本の卸販売ということです。
1個あたりの卸販売利益は、460~545円ということがざっくりと判明します。
結論としては、
1商品あたりの卸販売利益を500円、年間で6万本を卸販売できると、年間利益が3千万円となり、年間利益目標を1億円とした場合は少なくても3商品の自社開発製品が必要になるということです。
まとめ
このようにざっくりですが、どのような事業展開をしていくと、どのくらいの売上や利益が見込みるのか?が見えてきます。
この他、具体的にどのような施策を実施しているのか?なども四半期報告書から読み解くことができます。
あなたが今後、参入予定の業界や事業セグメントが既に決まっている場合は、是非、上場企業の四半期報告書を真っ先に参考にしてみてください。