勝てる新事業の生み出し方
知財先行ビジネスについて考察してみた
ビジネスの本場であるアメリカの特許やスタートアップ企業が持つ最先端の技術特許を分析することで新事業のヒントを得ることができます。
本日は、特許情報から新事業のネタを生み出す方法について触れます。
知財先行ビジネスとは
大手企業の多くは、知財戦略、つまり特許戦略を重要視しながら中長期的な会社の成長をめざしています。
例えば、ある商品の試作品をモニターに試してもらいフィードバックを得て改善します。
改善された試作品は、立派な「発明」といえ、特許出願に進みます。
この流れは、オールドエコノミーであり、これまでの知財戦略のステップです。
しかし、現在は、
・10年後はこんな世の中になるはず
・将来的にはこのような技術が必要になるかもしれない
・世の中の人が”ソレ”をどのくらい使うようになるのか
といった具合に未来を予測して必要となる権利を先立って取得しておくために特許出願をしていく流れになっています。
つまり、守りの特許戦略から攻めの特許戦略に変化してきているということです。
「陣取り合戦」のようなもので、先に陣地を抑えれば新しい機会が生まれるメリットがあります。
『世の中の変化を先読みして発明し、権利化する』
権利化さえできれば、マーケットの成長に合わせて
自社でビジネスを主導することはもとより、ライセンスを付与したりするなど活用法に幅が広がります。
実は、このような知財先行ビジネスは、1990年代からアメリカで始まっているビジネス形態でもあります。
特許情報は宝の山
企業が特許を取る理由は、大きく分けて2つあります。
1つ目は、自社の技術を守ること。
2つ目は、これから商品を作るために必要な技術を先に抑えておくことです。
2つ目については前述したとおり知財先行ビジネスです。
ここで重要な点は、特許をどう解釈するか?です。
特許とは、技術であり、その技術は顧客の問題を解決するために必要なパーツといえます。
つまり、特許情報を見ることで、その企業が顧客のどのような問題を解決しようとしているのかが透けて見えてきます。
顧客の問題を正しく掌握できれば、そこには新しい市場が確かに存在する、あるいは今後、生まれてくることを知らせてくれます。
特許の目利き
では、どのように特許情報を見ていけばいいのでしょうか?
実はとてもカンタンです。
特許事業の「詳細な説明」の中の以下の2つに注目してください。
【発明が解決しようとする課題】
【発明の効果】
この2つの記載からその企業が顧客のどのような問題を解決したいのか?が見えてきます。
ビジネスとは、顧客が抱える問題を解決することです。
顧客がどのようなことで困っているのか?
もし、それを解決できる方法があるなら、その顧客にお知らせするだけでモノは売れていきます。
その解決方法を教えてくれるのが特許情報であり、同時に顧客が抱えている問題も教えてくれます。
まとめ
あなたは、顧客のどのような問題を解決したいですか?
新事業で既に参入する市場がある程度、決まっている場合は、是非、その領域のマーケットリーダーの特許情報を確認してみてください。