商売の基本

商売の基本

粗悪なFCビジネスを例に商売の基本について解説してみた

実業家の多くが儲かるビジネスを見つけることに必死なはずです。

そのせいで昔から今なお、フランチャイズに加盟してしまい大切なお金と時間をドブに捨ててしまう社長さんが後を絶ちません。

最大の問題は、最初から”儲かるはずがない”ビジネスに大金を投じてしまったことこそが最大の失敗要因であることすら気づかないことである。

それ故に、今も変わらずFCビジネスが横行しています。

本日は、儲けを出すために必要なシミュレーションの実際について触れていきます。

育毛商品は儲かるのか?

多くの男性が薄毛に悩んでいます。

だからこそ、育毛関連商材の市場は大きく、リピート率も高いことから一見儲かるビジネスのように思えてきます。

私は、リサーチが大半の仕事を占める職業柄、どんな組み合わせで育毛サプリメントを飲み合わせれば効果が出るのか?を知っています。

実際には3種類のサプリメントを3ヶ月~6ヶ月飲むことで頭皮に血流が流れるとともに頭皮を再覚醒させることで髪の毛を生やすことができます。

もちろん、このサプリメントは日本では販売されていないため、輸入代行を使って消費者は各自の責任で服用します。

この輸入代行のFCに加盟して当該サプリメントを扱えば儲かるのでは?と思い、シミュレーションしたのが次のデータです。

シミュレーション

まず、商品の原価計算です。

扱いたい3つの商品の合計原価は、1ヶ月あたり4,600円です。

原価率を30%にしたいため、販売価格は、15,333円になります。
(計算式は、4600÷0.3)

当該商品の特性上、ネットで購入されるケースが大半のため、オンライン広告に出稿します。試算は↓

・ミノキシジルタブレット:1万~10万(CPC:866円、CTR7%換算で想定広告費は、606,200~6,062,000円)
・フィンペシア:1万~10万(CPC:536円、CTR7%換算で想定広告費は、375,200~3,752,000円)
∟プロメシア:10~100(CPC:906円、CTR7%換算で想定広告費は、6,342円)
∟フィナステリド:1万~10万(CPC:1,198円、CTR7%換算で想定広告費は、838,600~8,386,000円)
∟フィナロイド:1000~1万(CPC:633円、CTR7%換算で想定広告費は、44,310~443,100円)
・L-リジンプラス:100~1000(CPC:373円、CTR7%換算で想定広告費は、2,611~26,110円)
※月間広告費は、1,873,263円(min.)

ランニングコストは広告費の1,873,263円とした場合、
小売価格15,333円でCVR1%で試算すると…

21~917CV=粗利4,309円⇒月間利益は225,393~9,842,161円⇒最終利益は-1,647,870~7,968,898円

商売の基本

これがデータ上で可能なシミュレーションです。

マイナス160万円からプラス800万までふり幅が大きいこの結果が果たしてシミュレーションと言えるのか?

は置いておいて、この試算には、ひとつだけ欠けている要素があります。

それは、競合他社の販売価格です。

ベンチマークしている競合は、4,259円で販売しています。

つまり、このシミュレーションにおける販売価格は、競合の約3倍も高いということです。

要は、儲かっている競合がなぜ儲かっているのかは、原価率30%で仕入れた上で市場に商品を流通できるからです。

これができるのはメーカーか大手の問屋だけです。

ちなみに利益率30%でシミュレーションすると…

販売価格は、1ヶ月あたり5980円となり、

推定売上は、125,580~5,483,660円です。

最終利益は、-1,747,683~3,610,397円。

何が言いたいかというと…

繰り返しになりますが、儲かっている企業は、商品ベースで原価率30%で仕入れた上で市場に商品を流通させているということです。

商品ベースで利益率30%を死守しても人件費や維持費などのシミュレーションにおける広告費以外の経費によってほとんど利益が出ない状態になります。

このように、ほとんどのFCに加盟すると、市場の販売価格で仕入れすることになり、利益を出して販売するには、販売価格が高くても売れる仕組み(そんな仕組みがあるとは思えないが)を模索するなど、戦い方が全く異なります。

だからこそ、高くても売れる!

マーケティングのノウハウ?のようなものが巷に出回り、必要のない勉強をさせられるはめになったりします。

重要なことは、

『利は、仕入れにあり』

という商売の基本を忘れないことです。

まずは、

1.安く仕入れをするための工夫をする

それが難しいなら…

2.自社のオリジナル商品を開発して、自社がメーカーとして卸販売をする

の2択しかありません。

あなたは、これを読んでも尚、FCに加盟したいと思いますか?

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