事業を成長させるエンジン
楽天グループから学ぶ他力の使い方について考察してみた
楽天グループの現状
楽天グループの事業セグメントは大きく分けて4つ。
・楽天市場
・楽天銀行
・楽天証券
・楽天モバイル
です。
この中で楽天モバイルが巨額の赤字をグループ全体にもたらしています。
向こう2年間で社債の償還が約8000億円もあり、財務的に非常に厳しい資金繰りにとなり、おそらく社債の償還のために社債の再発行に踏み切り「自転車操業」化が懸念されています。
経営の落とし穴
楽天は、楽天市場を中心とした『楽天経済圏』の実現を夢見て”最後のピース”であるモバイル事業に参入したといわれています。
スマートフォンからECサイトにアクセスして買い物をし、支払いはクレジットカード、引き落としは銀行。投資も証券口座を通じて売買する。
いわゆるネット社会におけるユーザーの購買行動フローのすべてに関わり、手数料を稼ぐワンストップ型のリベートビジネスこそが楽天経済圏の実現から得られる果実です。
この経済圏のポータル(入口)になるのが、楽天モバイル事業です。
モバイル事業は、すでに既得権益と呼べる3大キャリアが市場を寡占しています。
そこへ後発で参入し、成功するには、低価格戦略をとるしかありません。
ここから学べることは、2つです。
1つ目は、初期費用やランニングコストで膨大なコストがかかる事業でありながら、低価格でしか販売できない事業は、なかなかうまくいきずらいビジネスであるということです。
2つ目は、すべて手前のリソースやアセットを投じた内製事業で独り占めするビジネスは、なかなかうまくいくことがないビジネスであるということです。
伸びている会社は、自社の強みと自社の弱みを把握した上で弱みは他社と協業することでより確実に早い展開を望めます。
学び
自社で全てを内製してワンストップサービスを提供できるとしたら、それは最高の形であり、パーフェクトなビジネスです。
多くの経営者が一度は考える完全体であり、利益を独り占めできる唯一の方法でもあります。
しかし、手掛けたすべての事業がうまくいくなんてことはありません。幻想です。
繰り返しになりますが、自社の強みは何なのか?
拡張できるとしたら、どんなリソースを他から提供を受けられるのか?
を明確にした上でスピード感をもって事業を大きくしていく意識が大切です。
あなたの会社の強みは何ですか?他のリソースで自社とシナジーが得られるものは何ですか?
ビジネスが大きく成長する時は、必ず他社の力(他力)が必要です。
自力で成長するには、限界があることを肝に銘じる”潔さ”があなたの会社の成長を促します。