新しい市場の創り方

新しい市場の創り方

新規創造型商品で新しい文化形成(市場形成)を促す方法論について解説してみた

「日本の企業が独創的な商品を作ることができなくなった」

といわれるようになったのは少なくても現在から12.3年前からです。
(失われた30年を考慮すれば、実質的には20年以上前から)

当時は、円高の影響を受け、大企業の赤字が続き…といったように円安で大企業だけが儲かる2024年現在と真逆の状況であったものの、アメリカが起こしたイノベーションの焼き直し手法や高性能の偏重によるガラパゴス化こそが日本で新しい価値が生まれない原因といわれてきました。

一部では新市場が立ち上げり、イノベーションも起きていると思っていますが、それがグローバル展開できないのは確かである。

これはもとより初期設計から海外で売ることを想定しているかどうかの目標設定の問題であり、新しい文化という名の価値が新市場として誕生していない訳ではないと考えます。

この記事では、新しい市場を創ることに焦点を当て、これから起業する人や新規事業を立ち上げる担当者、収益性が高い新商品の開発が急務の開発責任者などにとって大いなるヒントになるように解説していきます。

新商品が果たす役割

ミシュランのガイドブックが発行されたのは、1900年。

この時、自動車がどう使われるべきなのか?その用途が定まらない時代でした。

この時代に誕生したガイドブックは、ミシュランの本業である「タイヤ」を売るために自動車を広く活用して楽しむための文化を根付かせる目的で発行された事実は、勉強熱心な読者の多くが知っていることだと思います。

結果的にミシュランガイドが発行された国では、ミシュランのタイヤの売上が3%も伸びるそうです。

グローバル経済でいわれているイノベーションという言葉は、多くの場合、時価総額が高く世界的にユーザーを取り込めるユニコーン企業に変貌するための事業ないしは商品・サービスを指していることが多いと感じますが、

私が考えるイノベーションとは…

今までにはなかった新しい文化や習慣を生み出すための道具

こそがイノベーションであると考えています。

もし、あなたが開発する商品やサービスが人々の行動を変え、生活の一部として新たに組み入れられるとしたら…

どう思いますか?

新商品とは、新規市場を創ることであり、新しい文化や習慣の提案をする道具

と定義できれば、おのずと新商品の開発において必要なピースが見えてきます。

★あなたが開発した新商品は、誰の日常にどんな文化や習慣を根付かせることができますか?

新しい市場を創る4つの壁

とは言いつつも、新しい商品があれば新しい市場が出来上がるのかといえばそう単純な話ではありません。

超えるべき4つの壁があり、その壁をクリアしてはじめて新しい市場が作られていきます。その壁とは…

1.問題開発(●●はどうあるべきか?)
2.技術開発(問題を解決するための技術はあるか?)
3.環境開発(技術を実装するための環境はあるか?)
4.認知開発(●●に対する欲求の高まりが普及して社会的な生活習慣として根付くための宣伝や教育を行う)

この4つの壁をクリアすることで新しい文化や習慣が生まれます。

特に「1.」が重要であり、新しい問題を発見することは、新しい文化や習慣を生み出すきっかけになります。故に問題開発とは、文化開発であり、新規市場開発といえます。

ここで留意してほしいことは、超えるべき壁を商品(又はサービス)提供者であるいち組織がすべて担う訳ではないということです。

例えば、AIのソフトについて考えてみましょう!

近年、技術革新を続きAI(人工知能)搭載の商品も増えてきました。

そこで、既存の商品にAIを搭載する動きが活発になっていくのは当然で各メーカーから色々なAI商品がリリースされています。

つまり、新しい市場を創る際の「2.」である技術開発の壁を既に超えており、極端な話、異業種からの新規参入でも技術が問題になることはありません。(優秀な開発リソースにアクセスする必要はもちろんあります)

続けて「3.」の環境開発はどうでしょうか?これは、多くの人々がスマホという通信端末を持っています。本来は、ユーザーが側で行うシステム的な処理をサーバー側で実装することでユーザーのスマホでは大きく負荷がかかる処理は行わないように工夫できるため、スマホがあれば問題ありません。すでに環境開発の壁は超えていることになります。

最後に「4.」の認知開発はどうでしょうか?残念ながらまだAIが搭載されることによるメリットを十分に理解できていない人々が多いのではないでしょうか?よって、広告宣伝活動や理解促進のカリキュラムなどの活動を通して普及に努める必要があります。

故に、新しい市場を創るという一見、壮大なプロジェクトに見えるものでも、前述のソフトの場合に必要になる新しい市場の開発プロセスは、

問題開発

認知開発

の2ステップになります。

★あなたは、●●はどうあるべきと考えますか?この答えこそが新しい文化であり、新しい市場になります。

魔法の杖

●●はどうあるべきと考えますか?について深掘りするということは、つまるところ

どうなれば幸せになれるのか?について深掘りすることと同じであることに気づく必要があります。

なぜなら、●●が商品なのかサービスなのかに関係なく、人はモノという手段によって自分が描く幸せのカタチにフィットさせていく行為を繰り返す生き物だからです。

意識しているか無意識なのかに関係なく、あなたの一挙手一投足は、幸せになるという目標に向かって突き進んでいます。これはまさに潜在意識がそうさせています。

しかし、昨今では多様化が進み、幸せのカタチは人それぞれです。

その中でも幸せに感じること、幸せなライフスタイル…etc.に共通する幸せの原資となるものがこの資本主義社会には必ずあります。

そうです!お金です。根本的にお金がないと何もできない世の中が現代です。

故に、人はお金を求め、お金に依存する余りお金が増える喜びに沸き、お金が減る恐怖に苛まれます。

どの時代もお金と幸せは切っても切れない因果関係に満ちていることを忘れてはいけません。

★あなたは、お金を増やす”魔法の杖”を創り出す覚悟はありますか?

新しい問題設定から始まる新市場の創造

昨今、SNSを中心にお金を増やせると錯覚させて詐欺を働く輩が多く、逮捕者も出始めています。

もちろん昔からこのような輩は存在しましたが、近年では若年層の多くがそれに加担している現状です。

前述の通りお金は資本主義社会の「血液」であり、誰もが魅了されるモノです。

新しい市場を創る上で4つの壁があることはすでにお伝えしましたが、最も重要である第一の「問題開発」では、多くの場合、問題の発明ではなく問題の発見になっているせいで日本でなかなか新しい市場が生まれずにイノベーションが起きずらいといった印象を受けてしまっているのではないかと考えます。

問題の発見とは、例えば『お金を増やす手段を提供する投資商材』の場合、「結果的にお金を増やすどころか詐欺だった」というのが大きな問題であり、そのような発見は誰にでもできます。これが問題の発見であり、ここをイノベーションの起点とすると問題解決は、「お金を確実に増やせる」になります。

しかし、そのような方法は世の中に存在しません。なので詐欺が生まれるかイノベーションが起きないかの二択になる訳です。日本で新しいビジネスが生まれないと嘆かれる理由はここにあると思っています。

では、イノベーション、つまり新しい市場を創るとは一体どういうことなのかというと…

問題の発明です。

『お金を増やす手段を提供する投資商材』の場合、”問題の発見”ではなく”問題の発明”にフォーカスするとこうなります。

今の世の中には、お金を増やす手段が少なすぎる

といったように「問題の設定」が極めて重要です。

市場を創り、玉座に居座るためには

問題の発明ができれば、あなたに(あるいは自社に)技術がなくても新しい市場を創ることができる!

といわれたら、あなたはどう思いますか?

1970年より以前は、学校のプールで水泳帽をかぶる習慣などありませんでした。

しかし、とある小さな家族経営をしていた企業の取り組みによって新たな文化が生まれ習慣化することになります。

当時、小中学校でプール教育がスタートしました。その際、この企業では、

体育の先生が
・プールサイドから子供たちを識別するための「ネームプレート」
・子供たちの泳力を識別するための「帽子の色」

としてのハード(水泳帽)を

・先生に役立つ水泳帽を活用した「カリキュラム」

というソフトと一緒に提供することでプールの授業では男女問わず必ず水泳帽を着用する習慣=文化を根付かせることに成功しました。

ここでいう問題の発明は、

プール指導において「子供たちを個別に認識できない」のは困る

という問題の設定をしたことにあります。

この企業は、今では学童用水泳帽の大半を生産するガリバー企業に成長しています。

市場選定と問題設定の実践

多くの企業や個人が売上を上げるための活動に多くの時間とお金を投入することで経済が成り立っています。

この活動によってお金持ちになる人がいる一方、”貧乏暇なし”でなかなか余裕のある暮らしにたどり着けない人もいます。それを分けるものとは…

人の本能に直結した市場でその活動をしているか否かにあります。

起業して比較的早い時期に収益化を果たし成功する人もいれば、何十年と努力して勉強してもなかなかお金が貯まらない人がいる理由は、市場選びにあります。

人の性を発見し、本能に直結した市場で独自の商品やサービスを展開すれば…マーケティングやセールスを省略することができます。つまり、ちょっとした告知をするだけで売上が上がっていきます。

その市場選びとは、最初の一歩であり、一番最初にかけるボタンです。このボタンを掛け違えないことがマネタイズやお金持ちになるために欠かせない唯一のピースです。その具体的な市場とは、5つあります。

1.女性向けの美容関連商材
2.40歳を超えた男女向けの健康関連商材
3.資産を減らしたくない富裕層向けの資産防衛関連商材
4.一攫千金を夢見る人向けの投資関連商材
5.男性向けエロ関連商材

一代で財を築く起業家のほとんどのはこのいずれかの市場に参入してお金持ちになっています。

この市場に参入を決めるのが起業家や新事業開発担当者が一番最初に行うべき決定事項です。

その上で前述の通り「新しい市場を創る4つの壁」をクリアしていきます。

ここでは、問題の発見について具体例を挙げていきます。例えば、

1.女性向けの美容関連商材の場合、「脱毛サロン」で考えてみましょう。

脱毛サロンは、近年、競争が激化し、通い放題プランなどの台頭により低価格化が進んでいます。

この業態は、お客さんが増えれば増えるほど人件費が増えいくビジネス構造です。

一方、お客さんの目的は、永久に近い脱毛効果のため、推奨される脱毛日で施術を受けたい訳ですがなかなか希望日に施術を受けることができないのが今の業界の状況であり、これにより脱毛効果が薄れてしまっています。

★問題は、「個々人で異なる脱毛周期で医療脱毛が受けられない」ことです。この問題をあなたならどのようにクリアしていきますか?

2.40歳を超えた男女向けの健康関連商材の場合、「漢方薬」で考えてみましょう。

漢方の世界は奥が深く、中国伝来の医学ということもあり様々な流派が日本には存在しています。

一方、お客さんから見ればそのようなことに関心はなく、不定愁訴や未病が改善されればいい訳ですがなかなか効果がでない。しかも高価であり継続することもできず「漢方=高いわりに効かない」というレッテルを貼られている業界でもあります。

問題は、価格が高いことと、効果が薄いこと、自分にあった漢方薬がどれかが分からないことですが、効果が薄いこと以外はクラシエが解決しています。

★問題は、効果が薄いことを解決するためにメーカーができる施策がないということです。手っ取り早く効果を出すには煎じ薬での服用が必須ですが如何せん手間がかかります。加えて身体というのは漢方を飲み始めると少しずつ変化していきますが変化に合わせて飲む漢方を変える必要が出てきますがクラシエのように薬局でお客さん自らが買う方式では正しい漢方薬を選定できない。(だからといって正しく処方できる漢方医は日本にほとんどいないと言われている)この問題をあなたならどのようにクリアしていきますか?

3と5は、割愛させていただき4.一攫千金を夢見る人向けの投資関連商材の場合、「儲け話」で考えてみましょう。

前述の通り、人にとってお金は、”魔法の杖”であり、最も魅了されるもののひとつです。

いつの時代も儲け話は後を絶たず、どの時代も社会問題とひとつとして存在し続けています。

儲け話を詐欺行為ではなく、ビジネスとして確立させる場合の問題は、お金を増やす手段が少なすぎる点です。

もちろんお金が増えればそれに越したことはありませんが、100%お金を増やす方法が存在し、その再現性を担保した状態で第三者に提供できることは稀です。故に、

★問題は、「どのようにお金を増やす方法を見つけて商品化するか」です。この問題をあなたならどのようにクリアしていきますか?

まとめ

このように正しい問題を設定することができれば、突破口が見えてきます。

この突破口を皮切りに新しい商品やサービスが生まれ、結果的に新しい市場、つまり新しい文化が生まれ習慣化されていきます。

その苗をあなたが生み出すことができれば、あなたは誰よりも大きな収穫をすることができます。

今一度、市場選びの重要性に気づき、その市場で問題となっていることを調べ、正しい問題提起の上に商品・サービスを構築してみてください。

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