企業価値の高め方

企業価値の高め方

インフルエンサーの価値とチームの価値を正しく理解することの大切さについて考えてみた

元AKB48の小嶋陽菜さんがプロデュースするD2Cのアパレルブランドメーカー(株式会社heart relation)が33億円で買収されたニュースがM&A界隈で賑わいを見せています。

本日は、最新のM&A情報から見る企業価値の高め方について触れていきます。

買収された企業の紹介

かつて一世を風靡したアイドルグループの初期メンバーである小嶋陽菜さん。

2018年6月にローンチされたライフスタイルブランド「Her lip to」を運営する会社として 2020年1月に創業したのが今回買収された株式会社heart relationです。

「Her lip to」は、小嶋陽菜さんを全面に出したいわゆるセルフブランドの影響力を利用した販売方法が功を奏して売上が拡大。

もちろん経営手腕を発揮したのは小嶋陽菜さんではなく、元リクルート社出身の安倉知弘さんが伴奏役としてけん引。共同創業者としてZ世代のインフルエンサーマーケティングに強い戸高純さんと合わせて3人が同社の黎明期の中心人物です。

その後、新たに有識者が2名加わり、40名を超える規模に拡大。

このフェースで今回の買収を迎えます。

儲けのカラクリ

買収内容は、株式の51%(16億8300万円)です。

同社の株式の79%は小嶋陽菜さんが保有していることからおそらく30~50%は残したまま子会社になったと思われます。

買収元であるyutori社が今後、同社をバリューアップさせた後にIPO又はM&Aした場合は、小嶋陽菜さんにとっては残りの株式を売却できるいわゆる2段階EXITの1段階目の買収が本件です。

私算ですが、今回のM&Aで小嶋陽菜さんは、8~12億円(税金を差し引くと約6~10億円)を手にしたと思われます。(残りの保有分を今後、どのくらい高く売れるのか?が小嶋陽菜さんがミリオネアからビリオネアにステージアップする分かれ道です)

そもそも、営業利益が3億円で33億円の買収額が高すぎると言われていますが…

小嶋陽菜さんのSNS総フォロワーは400万を超えており、スーパーインフルエンサーです。

加えて、株式会社heart relationの経営幹部である4人(小嶋陽菜さんを除く)は極めて優秀です。出身畑がリクルート、サイバーエージェント、イオン、ベースなど誰もが知っている企業が前職でありそこで結果を出されている人たちばかりです。

まとめ

いわゆる芸能人パワーを使ったプロデュース系のビジネスはたくさんありますが、ビジネスとしての成功要因は何だと思いますか?

営業利益が3億円、仮に平均利益を15000円で計算した場合、

実売で15000円の利益が出る商品を1日あたり54個売らなければ達成できません。

原価率を仮に50%とした場合、

平均客単価30000円の買い物をする人を1日54人集めるには…

現状のマーケティングのアプローチでは、インフルエンサーマーケティングしかありません。

つまり、小嶋陽菜というインフルエンサーとしての価値がビジネスを成功に導くエンジンであり、そのエンジンが問題なく動き続けるために必要な潤滑油が経営幹部です。

会社を高く売ろうと思ったら、商品やビジネスモデルを売るよりも、チームを売ることがポイントだということがわかります。

なぜなら、会社を買う側の企業が気にしていることは、買収後にバリューアップができるか否かだからです。

あなたなら、どのような方法でビジネスを成功させ、買収まで進めていきたいですか?

この記事(★新しい変化を受け入れ新しい波にのる)でも触れましたが、シンプルに次のような領域で深掘りすればいいのです。

1.女性向けの美容関連商材
2.40歳を超えた男女向けの健康関連商材
3.資産を減らしたくない富裕層向けの資産防衛関連商材
4.一攫千金を夢見る人向けの投資関連商材
5.男性向けエロ関連商材

どうか自分にとって興味がある領域をロックオンして商品を作ってみてください。そして、出口戦略(EXIT戦略)を描くなら…

ビジネスモデルを策定してそこに優秀な人材をパズルのようにハメ込み、チームを作ってみてください。このフェーズでは、「領域選定&商品開発」とは違うスキルが必要です。

自分にないスキルは持ってくればいいのです。全てはパズルゲームのように組み合わせの妙技によって成否が分かれるのがビジネスの醍醐味です。

あなたは、どのように組み合わせゲームを楽しみ、儲けたいですか?

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