少数精鋭で儲かる組織を作るポイント
令和時代の儲かる組織に必要不可欠な採用人材について解説してみた
2018年に起業し、2023年にアパレル業界で最年少上場を果たした片石貴典氏(30)
前回の記事(企業価値の高め方)で触れた元AKB48の小嶋陽菜さんがプロデュースするD2Cのアパレルブランドメーカー(株式会社heart relation)を33億円で買収した株式会社yutoriの社長さんです。
なんと、20個を超えるアパレルブランドを展開しています。
「アパレル×SNSマーケティング」
という時代に合った手法で創業わずか6年で年商43億円に到達。起業から6年は史上最短上場であり、アパレル業界として30歳での上場は最年少。
なぜ、30歳の若者が短期間で上場まで果たせたのか?その秘密について深掘りしていきます。
典型的な近代組織の教科書的企業
アパレル業界といえば、典型的なレッドオーシャン。
業界13位にワークマン、11位にユナイテッドアローズ、1位はもちろんユニクロが君臨する超激戦区のマーケットです。
業界のほとんどが店舗型であるのに対してyutoriの各ブランドは店舗を持ちません。
店舗を持てば人的リソースは”営業的”になりますが、無店舗型の人的リソースは”創造的”になります。
つまり、店舗組織には営業人材が不可欠ですが、無店舗組織にはクリエイターが不可欠になります。
この視点は、今後、IT化が進化し続ける現代において絶対にハズしてはいけない視座です。
「無店舗型組織のクリエイター」のいち定義は、影響力を持っているか否かです。
そのため、採用条件は、4桁以上のフォロワーをもっていることが条件になっています。
加えて、アパレルのデザインの作り方についても従来とは異なり、ユーザーに刺さるひとつの型(デザイン)を作りそれをSNSマーケで当てていく(流行らせていく)手法をとっています。
そもそも、社長が大学時代に自らのインスタアカウントで当時伸びていた古着女子というハッシュタグを起点にフォロワーを集めたところから上場までのサクセスストーリーが始まっています。
2018年に起業し、1年後に年商1億円を達成できたのは、
・ハッシュタグを起点としたトレンドに乗れた
・女性向け商材
・そもそもSNS全盛期時代
・インフルエンサーの影響力をシンプルに理解しやすい時代
など、世相を素直にキャッチアップしたことが成功に大きく寄与しています。
このような拝見を除くと、株式会社heart relationを買収した理由も頷けます。
儲かる組織の作り方
このようなサクセスストーリーをこうしたブログや書籍、あるいはTVやYouTubeなどで見ると自分にはとてもじゃないけど再現できない…
と感じがちですが、そうではありません。至ってシンプルな要素で会社は大きくなっていきます。その条件とは…
1.商品作りに妥協しない
2.マーケティングとセールスをしっかりと行う
です。
当たり前なんですが、商品が陳腐なものでは売れません。その開発に熱量があるからこそそれを嗅ぎ分けられる顧客がお金を払うのです。
その開発が継続するからこそ売上も継続していきます。
つまり、組織には開発(クリエイター)が欠かせません。
クリエイターとは、商品を進化し続けられる人です。
次に、マーケティングとセールスです。
マーケティングとは、見込み客を目の前に連れてくる作業であり、セールスとは、見込み客に納得してもらい購入を促す作業です。
売上の源泉は、マーケターにかかっています。
マーケターとは、自社商品を知らない人を一人でも多く減らせることができる人です。
会社という組織が売上を上げていくためには、
1.商品開発を継続できる人
2.顧客開拓を継続できる人
の最低でも2種類の人材を社長の下に配置することが必要不可欠です。
経営論や組織論、マーケティングやセールスなど多種多様な哲学・思想が世の中には存在しますが、つまるところ
・社長(創業社)
・商品開発担当
・顧客開拓担当
・財務担当(顧問税理士として外注でも可)
の4名を社内幹部として構成し、外注を上手に活用していく組織構成が今後、人手不足と超高齢化社会に突入する日本において求められる少数精鋭の企業体の理想型です。
株式会社yutoriに買収された営業利益が3億円の小嶋陽菜さんの会社(株式会社heart relation)も役員は5名以下です。
ちなみに中国には、従業員数名で2ケタ億円のメーカー企業なんてざらにあります。
組織の規模に焦点を当てるのではなく、優秀な商品開発担当者と顧客開拓担当の採用に注力することが少数精鋭で儲かる組織を作るポイントです。
あなたは、どのような人材を集めてコンパクトで儲かる会社を作り上げたいですか?