利益を最大化する販売価格とは?
具体的な価格設定の戦略について解説してみた
新しい商品やサービスをローンチする時、どのように価格を決めればいいのか?
これは新事業において最後の難問です。
安すぎる価格では、集客はうまくいくものの利益があまり残らなかったりします。
本日は、適切な価格決め、すなわちプライシング戦略について解説していきます。
利益を最大化する販売価格の決め方
最もベーシックなプライシング戦略は、競合他社と同じ価格に設定することですが…
では、市場に類似商品やサービスが存在しない場合はどうすればいいと思いますか?
その場合、利益から逆算して適切な販売価格を決めていきます。
利益とは、
「利益=価格×販売数-コスト」
です。
そもそも、なぜ、販売価格がそれほど重要なのかといえば、
毎月かかるコストを1%削減した場合、利益は23.9%改善され、価格を1%上げた場合、利益は32.2%改善された
というデータがあるからです。
つまり、価格戦略がうまくいけば労せず利益を改善できるということです。
故に、利益を最大化する販売価格を見つけることが重要です。
利益を最大化させるには、
「利益×販売数×リピート数」
が最大になる価格帯を複数挙げた上で推察します。
具体例
具体的な価格設定の方法について解説します。
1.コスト志向型価格設定
∟コストプラス法:製造原価に利益を加えて販売価格を決める
∟マークアップ法:仕入れ原価に対して利益率を加えて販売価格を決める
∟目標利益法:投資収益率を達成するように販売価格を決める
2.価格志向型価格設定
∟予想される期待値を元に販売価格を決める
3.競合志向型価格設定
∟ライバルの価格を参考に販売価格を決める
4.需要志向型価格設定
∟顧客アンケートを元に販売価格を決める
5.心理的価格設定
∟988円や1980円など心理に影響を与える数字で販売価格を決める
6.プレミア価格設定
∟ブランディングをして高い販売価格にする
これらを参考に販売価格を決めてみてください。
値付けで失敗しても大丈夫!
入念に販売価格を決めたものの、その価格ではあまり販売数が伸びずに価格の見直しをしたい場合もあると思います。
そんな時は、次の方法で価格の変更を実施します。
1.スキミングプライシング戦略
∟ローンチする時は価格を高めに設定する。普及するにつれ価格を下げていく。この戦略は、既にブランドにファンがついている前提の戦略です。
2.ペネトレーションプライシング戦略
∟低価格で市場を席捲する戦略。ヤフーBBやPayPayなどの普及時に採用された戦略です。
3.ダイナミックプライシング戦略
∟時期によって価格を変更する戦略。航空券や旅館で採用されている戦略です。
4.コストリーダーシップ戦略
∟競合よりも低価格で販売しながら利益を出していく戦略。ユニクロで採用されている戦略です。
5.プレミアム価格戦略
∟ブランディングをして高い価格で販売していく戦略。
6.ラグジュアリー価格戦略
∟所有していることがステータスになるブランドがプレミアム価格よりも高い価格で販売していく戦略。ルイヴィトンで採用されている戦略です。
7.薄利多売戦略
∟安くてもたくさん売って「数の原理」で利益を出していく戦略。ダイソーやニトリで採用されている戦略です。
8.キャプティブプライシング戦略
∟メインの商品を安くしてオプションやその他の商品で利益を出す戦略。プリンターメーカーや広島建設で採用されている戦略です。
9.フリーミアム戦略
∟無料で商品を提供して最終的に高い商品を販売していく戦略。フロンエンド商品とバックエンド商品をセパレートする戦略です。
これらを参考に販売価格を決めてみてください。
まとめ
おそらく最も利益を増やすための戦略は、商品やサービスのブランディングをしてプレミア価格で販売するプレミアム価格戦略です。
次の記事では、ブランディングについて解説していきます。